システムトレードの考え方(2) 取引回数について~その①

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前回の記事では、期待値についてお話しましたが、今回はトレーディングシステムを設計するうえで、もう一つの重要な要素である取引回数についお話したいと思います。

取引回数が多いシステムでないと、良いトレーディングシステムとは言えない

前回提示した期待値の公式

(勝った時の利益 × 勝つ確率) – (負けた時の損失 × 負ける確率) = 期待値

ですが、もし、これが1回の取引しか行われない場合は、期待値は単なる予想値にすぎません。つまり、期待値が+1,000円だとしても、「うまくいけば1,000円くらい儲かるんじゃなかいかな」ということにすぎないということです。

しかし、もしこの取引が同じ期待値で無限回数行われるとすると、トータルの実現値は期待値に限りなく近くなっていきます。

これはよくサイコロの例で例えられますが、「サイコロの目を振って1が出る確率は1/6だが、サイコロを振る回数を限りなく多くすると、1が出た回数が1/6になる」ということと同じ理屈です。

これを数学では極限と言い、以下の数式で合わせすことができます。

n=取引回数として

このnの値が大きければ大きいほど、期待値と実現値は近くなっていくという意味です。

取引回数が少ない場合は、期待値を実現できる確率はそれほど高くない場合であっても、取引回数を十分な回数を行うことにより、トータルの運用成績としては期待値を実現できる確率が高くなるということです。

自動運用のシステムトレードであれば取引回数を多くすることは簡単

もし、パソコンのモニターにかじり付いているデートレーダーの場合は、取引回数を多くするとそれだけ作業負荷が高くなり、極端に取引回数を多くすることは現実的ではありません。

しかし、これがMT4のEAなど自動運用のシステムトレードの場合は、いくら取引回数を多くしても作業負荷は変わりません。

この「取引回数を多くすることによって、期待値を実現できる可能性を上げる」というアプローチは、自動運用のシステムトレードを行うことにのみ与えられた特権なのです。

そしてこのことが、世界で投資銀行や投資ファンドなどが行っている投資において、システムトレードが、手動のトレーダー達を駆逐してしまった要因の一つになっています。

日本においては、個人でもMT4のEAを用いることによりシステムトレードを容易に行うことが可能です。

ご存知のとおり、FX外国為替取引は日本で最も盛んであり、そのほとんどが手動によるトレードです。そのような環境でMT4によるEAを行うことは、大きなアドバンテージとなりうるのです。

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