システムトレードの考え方(1) 期待値について

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私は自作のMT4のEAを作っています。その際に、一番の問題になるのが、

トレーディングのアルゴリズムをどうするか

ということです。
いいろいろ、本やサイトなどを見たのですが、なかなかこれといった良い解説がありませんでした。
そうはいっても、試行錯誤や、たまに見つけた資料でよい解説があったりして、だんだんわかってきたので、ここにまとめていきたいと思います。

その第一弾として、トレーディングのアルゴリズムを考える上で、一番大切な概念である「期待値」についてお話したいと思います。

期待値の公式

端的にいってしまいますと、期待値は以下の式で表すことができます。

(勝った時の利益 × 勝つ確率) – (負けた時の損失 × 負ける確率) = 期待値

たとえ勝率が9割であっても、買ったときの利益が「1万円」で、負けた時の損失が「100万円」であった場合、

(1万円 × 0.9) – (100万円 × 0.1) = 9,000円 – 1万円 = -1,000円

となり、期待値はマイナスとなってしまいます。

期待値がマイナスとなる取引をするアルゴリズムの場合、長い目でみると必ずマイナスになってしまいます。

負けた時の損失が大きすぎるEAは問題アリ

「勝率は高いけど、負けた時の損失が非常に大きい」というEAはよくあります。

いわゆる「コツコツドカン」タイプで、長い期間をかけて積み上げてきた利益が1回の損失ですべて吹き飛んでしまうというものです。

しばらく「コツコツ」と利益を積み上げて運用成績はよいので、良いEAのように見えるのですが、それは実はリスクが隠蔽されているだけで、ある日突然「ドカン」と損失が発生し、すべてがパーになってしまうというものです。

(実はこれはEAだけではなく、投資ファンドなどの、あらゆる戦略隠蔽型の投資商品によくあることで、10年くらい前のリーマンショックはそれが世界中で一気に損失を出したものと言えます)

トレーディングのアルゴリズムを考える際は、期待値が確実にプラスであることはもちろん、1回の損失額が極端に大きくならなくすることが重要です。

なぜならば、少ない確率とはいえ、損失が短い期間で複数回発生する可能性は必ずあり、そうした場合は、一気に損失が嵩み、システムが破綻してしまうことがあるからです。

※ ちなみに、私が投資戦略における期待値という考え方を知ったのは、この本がきっかけでした。

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